MESSAGE柳島スポーツ公園整備事業についての想い

柳島スポーツ公園
整備事業について

柳島スポーツ公園は市民が運動をはじめるきっかけづくりの場所、そしてスポーツだけなく様々な利用目的で人々が集い交流できる拠点として2018年春にオープンしました。3月25日の開園イベントには約1万人の市民が集い、セレモニーや様々な団体による演技、演奏の披露、模擬店、ステージ、スポーツ体験などを楽しんでいただきながら開園を彩ってくれました。
この公園は民間のノウハウを活かした茅ヶ崎市初のPFI事業として取り組まれています。PFI(=Private Finance Initiative)とは、公共施設等の設計や建設、維持管理、運営に民間の資金とノウハウを活用して、公共サービスの適用を民間主導で行うもので、これからの社会において効率的で良好なサービスが提供できる仕組みとして大きな期待がよせられるものです。亀井工業ホールディングスでは、2014年9月に地元企業の協力を得て練り上げた計画でこの事業者に選定されました。地域におけるスポーツを軸としたコミュニティ形成やローカルファーストというコンセプト、地域ニーズを踏まえた施設内容やプログラムの実践など、民間ノウハウを活かした取り組み内容と地域一丸となって最後まで事業を遂行していきたいという姿勢を評価していただいた結果でした。
当社をはじめ、地元を拠点とする数社で特別目的会社(=SPC)を構成し、それぞれの分野を発揮しながら確実な工事で竣工、そして今、運営を展開しています。2016年2月に着工、以降2年間で携わった作業員は延べ5万人、総作業時間40万時間となりましたが、無事故無災害で完成となったことも建設に携わる当社としては、誇るべき実績です

社員の声

柳島スポーツ公園整備事業に携わった社員から工事についての想いや印象に残っていることを聞きました。

  • 亀井工業 建築部 岩井義敬

    柳島スポーツ公園は、スポーツを始めるきっかけづくりの場として市民が気軽に利用できることを目的にしています。そのためサッカーや陸上ができる総合競技場、テニスコートなど本格的な施設はもちろんですが、ジョギングコースや多目的広場、子どもが遊べる遊具、ふわふわドーム、そしてより多彩な市民の交流を図る場としてクラブハウスがあります。
    クラブハウスには公園管理室の他、サイクルステーション、レストラン、スタジオ、コンディショニングセンターといったテナントが入っていますが、建築の立場としては、この建物は1階が鉄筋、2階が木造のハイブリット造りなので施工管理には特に工夫が必要でした。またデザインは木を使い、ナチュラルな印象を与えるものにしたいという思いを形にするのにスタジオの梁や壁板、床材などにはこだわりましたので、ぜひ見てください。また、レスランは扉を解放するとテラスをふくめてゆったりとしたレイアウトが可能になり。富士山や大山を望む最高のロケーションを楽しんでいただきたいと思います。
    工期中には地元の小学生や建設に従事する人の家族を招いて見学会なども行いました。働く父親の姿を見てこの公園を身近に感じてくれたのは嬉しかったですね。

  • 亀井工業 土木部 内藤悦央

    平成27年からこの事業の一員となり、様々な会議体に参加するうちに、数多くの人たちの力で進めてきた事業であることを知りました。当初は概略設計、図面を見て「難易度はない、規模が大きいだけ」と思っていました。設計より受け取ったバトンを運営に引き渡すだけ、と。しかしこの事業にかける多くの人の熱意を知り、土木部の仲間と共に将来を見据えた設計、建設にできる役割は何かを話し合いながら取り組んできました。
    後に柳島スポーツ公園PFI事業者選定委員会の選定結果および審査講評を見る機会がありました。「地域におけるスポーツを軸としたコミュニティ形成やローカルファーストというコンセプトを明確に打ち出し、地域一丸となって最後まで事業を遂行していく取り組み意欲を高く評価した」という9名の選定委員満場一致の講評、そして「PFI事業ならではの自由な発想で全国に発信してください」という現場で激励された言葉は、まさに当社経営理念と重なる部分でした。
    現場の施工体制は「地元でできるものは地元で」の考え方で進めました。茅ヶ崎建設協同組合理事の湘南いざわを中心に、「土木・建築・造園」総勢地元建設会社23社(湘南地区)で構成しました。施工期間中に行った現場イベントも積極的に行い市民への周知、理解、PRに繋がったと思っています。

  • 相模開發 工事部 田篭一晃(施工当時:東和工業)

    下水設備や擁壁等の構造物を担当。統一された指揮の下に建築・土木が共存するという現場は初めてで毎日100人近い作業員たちと進めていく現場は、とにかく人が多かったという印象です。一つの敷地内で兎にも角にも様々な工事・工程が同時進行しており、どうしても干渉し合う各工程を円滑に進められるよう、広く交流を深め現場の雰囲気作りに努めました。また同じグループ内とはいえ、亀井工業の意識の高さや厳しさに触れたのは、良い刺激になりました。

  • 亀井工業 土木部 蔦林聡

    電気関係の交渉をやりながら全体の調整もしていました。今回は土木・建築に加えて湘南造園さんなど他社の方々とも事務所を共にするという珍しい形態で、毎日コミュニケーションをとりながら進めていました。土木としては建築の部分など勉強になり、とても面白く、良い経験ができた現場でした。イベントなどで完成前の段階を見てもらえる機会があったのは、技術屋としては嬉しかったです。これまでは子どもに自分の仕事を見せても反応が薄かったのですが、今回は人工芝を走り回ったり「すごいね」と言ってくれたりと、すごく喜んでくれたのは嬉しかったですね。

  • 亀井工業 土木部 小田桐哲也

    外周のフェンスとフェンスの基礎、グラウンド外周の基礎とテニスコートの上部などや、公園東側の農地との境にあるフェンスのコンクリート基礎の構造物を担当しました。一番苦労したのは、鉄砲道側の2ヶ所の入口に設置した壁です。きれいな木目をはっきり出すために、何種類かの材料を用いて試し打ちを繰り返し、職人さんにも1枚1枚手で貼ってもらって細かい調整の末に完成しました。1周約600メートルの外周を最低でも日に5周は歩き回っていたので、半年ちょっとで体重も5キロほど落ちました。健康施設の現場らしく、いい運動になりました。

  • 亀井工業 土木部 赤田洋志

    ローカルファーストをいつも心に置き、考え、向き合いながら進めていくことを心がけていました。こんなに大きな現場で仕事できる機会もなかなかないので、とても良い経験になりました。パシコンさん、設計さんと一体となって、計画を一から作っていくということがやはり苦労した点でした。アートプロジェクトや体験学習、働くお父さんなど現場でのプロジェクトも印象深いです。現場で頑張ってくれている方の家族からコメントをもらうなど、涙涙の会となったことが思い出に残りっています。今までもこれからも僕の人生は柳島スポーツ公園です。

  • 亀井工業 土木部 齋藤満

    メインに担当していたのは水道管とフェンス、外周の芝生スタンドの手すりなどです。
    手すりには耐塩使用の塗装を使用するなど、細かな工夫をしています。通常、水道料金は使用した分全部が下水道料金となるのですが、公園は散水量が多いため、2つに分けることによって給水メーターの分だけ下水道料金が発生する仕組みにしています。トラック脇の「CHIGASAKI」の塗装部分もを手伝えたのは良い思い出です。スポーツ競技場の施工に関わりたいなと思ったことが、亀井工業に応募したきっかけでした。こんな貴重な経験は一生のうちにそうはできないと思います。

  • 亀井工業 土木部 織田涼矢

    道路関係全般を担当していました。一番の思い入れは、歩行者の方がメインスタンドへ向かって歩くアーチ状の通路の舗装です。舗装は黒いのが普通ですが、猿投石(さなげいし)の色を活かした脱色カラーアスファルト舗装を選択しました。景観を崩さないよう、使用する石の選定や調整など、実作業含め半年程かかりました。手直しがきかない作業のため緊張感があり、特に思い入れが深いです。前段階工事を含めると約2年数ケ月、柳島スポーツ公園に携わりました。人間として成長させてもらい、僕の青春は柳島スポーツ公園です。

  • 亀井工業 建築部 柳井守

    入札前の概算見積や、パシフィックコンサルタンツから上がってきた設計図を基にした積算業務全般に始まり、工事開始からはクラブハウス棟を中心に全体の施工管理を担当しました。潮風が非常に強いので、建築構造物の仕上げ材の材質選びは入念に行いました。クラブハウス棟は1階がRC造、2階が木造、屋上構造物が鉄骨造でしかも楕円形という異質なサンドイッチになっており、その収め方を決めるのに苦心しました。また「柳島アートプロジェクト」や「現場体験会」など、普段の現場では味わえない様々な交流があったことも印象深い思い出です。

  • 亀井工業 建築部 吉野昭博

    メインスタンド棟全体の施工管理を担当。階段部分のコンクリート打設については、普段用いない工法を採用したので、その計画に最も気を遣いました。土木部と共同で進めていく現場という経験が珍しく、建築側の施工を待ってから土木工事が始まる場所も多くあり、入念な計画と工期の遵守が求められました。一方、地域を巻き込んだイベントが非常に印象的でした。まさに地域と一体化して街のシンボルを築いている歓びを感じることができました。現場作業員同士の交流機会も多く、現場の一体感の強さや取り組みの良さも強く心に残っています。

  • 亀井工業 建築部 田中一平

    競技運営棟や器具庫棟など、木造建築物の施工管理を担当しました。土木部の現場の中に建築の現場があるという環境下での施工管理は、搬出入のタイミングや量・バランスの調整に非常に気を遣い、土木部との入念な事前打ち合わせを行ないました。非常に面白いと思えたのは、クラブハウスの「RC造の上に木造を建てる」という工法です。本格的な大規模木造建築は、とても良い経験になりました。また同じ「建設業」でも、土木部と建築部で工事・工程の進め方がまったく異なり、少人数であるが故に全員が全体を見ている土木部の工程管理や出来高管理の緻密さは大変勉強になりました。

  • 亀井工業 建築部 平塚康一

    RC造の足場管理や諸々の仮設工事など雑工全般を担当しました。非常に広い敷地で多くの作業者がいたため、日々の安全管理には非常に気を遣いました。また土木部と一緒の現場になることで、例えばコンクリート打設ひとつ取っても、普段建築では使わない資材や工法を目の当たりにすることで見聞を広めることができ、非常に良い勉強になりました。BBQイベントなどを通じて建築・土木の垣根を越えてコミュニケーションを取る機会が非常に多かったことも強く印象に残っています。

  • 亀井工業 建築部 原綾音

    提出書類作成など事務作業全般を担当しました。とにかく多い書類の量に、現場の大きさや重要性を痛感しました。毎月の安全パトロール前に行った書類準備の苦労が今でも蘇ります。土木部と同じ現場のため、土木工事の進め方や実際に行われる工事の様子など、自分には目新しい光景ばかりが広がっていたのも印象深いです。開業イベントは、自分の予想をはるかに超えた来場者数や盛り上がりに地元茅ヶ崎の底力を感じました。柳島キッチンの試食会で、こんなにお洒落で美味しい料理を身近で食べられるのかと喜びを覚えたのも記憶に新しいです。